脊柱管狭窄症

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脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症とは

背骨は、椎骨が連なって構成されています。そしてその椎骨の中を通るのが、「脊柱管」というトンネルです。
脊柱管狭窄症とは、背中側の黄色靭帯の肥厚、椎間板ヘルニア、椎骨の変形・突出などによって、脊柱管が狭くなった状態です。
脊柱管の中を通る神経が圧迫されることで、痛みやしびれなどの症状が出現します。これにより手足の運動障害をきたし、歩きにくい、真っすぐ歩けない、ふらつくといった症状に見舞われます。

脊柱管狭窄症の原因

背骨の背中側の黄色靭帯の肥厚、椎間板ヘルニア、椎骨の変形・突出などを原因とします。
またその背景には、加齢、仕事・家事・スポーツによる腰への負担、不良姿勢などがあることが多くなります。

脊柱管狭窄症の症状

椎間板ヘルニアと同様、発症する部位によって症状が少しずつ異なります。

頸椎脊柱狭窄症の主な症状

頸椎脊柱狭窄症の主な症状

  • 腕、手、手指の痛み・しびれ
  • 腕が重い感じ、脱力感
  • 手指がうまく動かせない
  • 手先を使う細かな作業の困難

箸を使いにくい、字を以前のように書けない、ボタンを留めるのが難しいといった、日常生活における問題も起こります。また、症例によっては下肢の症状が現れ、歩行が困難になることもあります。

腰部脊柱狭窄症の主な症状

腰部脊柱狭窄症の主な症状

  • 腰、脚の痛み・しびれ
  • 間欠跛行
  • 股間の違和感
  • 残尿感、尿漏れ
  • 異常勃起

上記のような下肢を中心に症状が現れます。立っているときに症状が現れる・強くなる傾向があります。
なお間欠跛行とは、しばしば休憩を挟みながらでないと長い距離を歩けないことを指します。

脊柱管狭窄症の
検査・治療法

問診の上、以下のような検査・診断を経て、治療へと進みます。

検査・診断

レントゲン検査、MRI検査、CT検査などを行います。
適切な治療を選択するためには、特に神経や椎間板の状態を撮影できるMRI検査が重要となります。

治療法

保存療法

保存的療法には、コルセットなどによる装具療法、理学療法、神経ブロック注射、内服などが挙げられます。
軽度であれば、これら保存的療法で症状をコントロールすることが可能です。

手術

保存的療法で十分な効果が得られない、日常生活に支障をきたしているという場合には、手術を行います。
近年では、内視鏡を使った低侵襲の手術も普及してきました。
MEL

腰部脊柱管狭窄症の内視鏡下手術
(内視鏡下腰椎椎弓切除術)

腰部脊柱管狭窄症に対して行われる内視鏡手術です。
狭くなった脊柱管を拡大することで、神経への圧迫を取り除きます。傷痕が目立ちにくく、従来法のように背中の筋肉を大きく切開する必要はありません。これにより術後の経過も良好で、4~6日後には退院が可能になります。

FEL(FESS / PED)

腰部脊柱管狭窄症の内視鏡下手術
(Full-EndoscopicLaminectomy完全内視鏡下腰椎椎椎弓切除術)

微小内視鏡による手術(FESS)のうち、特に腰部脊柱管狭窄症に対して行う内視鏡手術のことを、「FEL」と呼びます。8~10mm程度の小さな切開で済むため、傷痕が目立ちません。通常、手術3~4日後の退院が可能です。
ただ、現在のところやや適応が限られており、身体の片側のみに痛み・痺れが出る外側陥凹狭窄などの一部のタイプに適していると言われています。

ME-PLIF/TLIF

内視鏡下腰椎椎体間固定術
(脊椎固定術)

腰椎椎間板変性症、腰椎不安定症などに対して行われる手術です。X線透視下で内視鏡を用いて椎体間を固定します。
手術ではまず椎間板を取り除き、代わりにケージを入れて、スクリューとロッドで固定するという流れになります。ケージにはチタン製のものや他の材料を使ったものがあり、患者様に合ったものが選択されます。
傷痕が目立たない最小侵襲法であり、術後の痛み・感染リスクも抑えられます。おおよそ、8~10日後には退院が可能です。

XLIF

内視鏡下腰椎側方椎体間固定術
(脊椎固定術)

腰椎不安定症、腰椎椎間板症、椎間板変性症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、変性側弯症などが対象となる、内視鏡による脊椎固定術です。ME-PLIF/TLIFと同様に、X線透視下で内視鏡を用いて椎間板を切除し、ケージをスクリューとロッドで固定します。
ME-PLIF/TLIFと違う点として、大きなケージを使用できることが挙げられます。術後の安定性の向上し、早期の骨癒合が期待できます。
XLIFは身体の横側から脊椎にアプローチするため、背中側の筋を傷めることがありません。これにより、術後の痛みも抑えられます。

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