年代 | 90代 |
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性別 | 女性 |
症状・疾患 |
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相談内容 | 腰痛、両下肢のしびれが酷く、歩くのが難しくなるほどだったとのこで、他院の整形外科を受診。しかし全身麻酔の手術を断られてしまったとのことでした。今回は日帰り手術を希望されて、当院を受診されたとのことです。 |
診察結果 | 腰椎MRI検査を行ったところ、L4/5の箇所に「脊柱管狭窄症」と「すべり症」が認められました。特にL4/5の「脊柱管狭窄症」は、強く狭窄を確認しました。また「すべり症」も確認できましたが、X線動態撮影を行ったところ不安定性はありませんでした。そのため、腰痛と両下肢のしびれの原因は「脊柱管狭窄症」だと判断しました。 |
治療内容と方針 | 腰痛と両下肢のしびれの原因になっているL4/5の脊柱管狭窄症を解消するために、「PEL(脊柱管狭窄症内視鏡下術)」を実施。非常に厚い黄色靱帯を切除して硬膜(神経)の圧迫を取り除きました。同時に、神経修復作用の効果を期待して濃縮血小板由来の成長因子を注入する「PRP」を行いました。90代とご高齢ではありましたが、当院の治療は局所麻酔で行う手術だったので可能だと判断しました。
なお、すべり症に対しては不安定性がないため固定術を行っていません。 |
治療後の経過 | 手術後、腰痛は無くなり、両下肢にあったしびれの範囲も狭くなりました。また時間が経過するにつれて徐々に取れていきました。 手術から1ヶ月後と、3ヶ月後にはレントゲン検査を行い、経過を観察しながら、神経の修復を期待して濃縮血小板由来の成長因子を注射するPRPを行いました。 当院に来るまではご高齢ということもあり、手術を諦めていたそうです。治療後はご家族とお花見や旅行に行けるようになったとのことです。 |
治療期間 | 日帰り |
費用 | 1,540,000円(税込) |
診療種別 | 自由診療 |
リスクや副作用 |
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┃治療画像
治療前後
【術後MRI】術前(画像左側)にみられた狭窄部位の圧迫がとれて脊柱管が広がった所見(術後右)
診察と検査結果
この患者様は赤い枠で示されている箇所(L4/5)に脊柱管狭窄症、すべり症が認められ、特にL4/5脊柱管狭窄症に強く狭窄を認めました。
手術中写真
【内視鏡画像】狭窄症内視鏡下手術にて非常に厚い黄色靱帯を切除してL4/5狭窄症の圧迫部位を拡大した。(左写真:黄色靱帯、右写真:黄色靱帯を切除して硬膜(神経)の圧迫を取り除いた所見。)
┃今回行った治療
<PEL>
PELは全ての手術操作を内視鏡下に行う手法であり、体を大きく傷つけずに脊椎内部の奥深いところを観察し、より安全に手術操作が可能となるのが大きな特徴です。