「変形性腰椎症」は、加齢などで腰を支える背骨が変形してしまい、腰痛などを引き起こしてしまう病気です。さらに悪化してしまうと脊柱管狭窄症やすべり症など、慢性的な腰痛に悩まされたり、場合によっては歩行が困難になるなど、日常生活にも支障をきたす可能性もあります。痛みは神経損傷が起きている場合がほとんどで、根本治療が難しいとされてきましたが、近年、再生医療の研究が進展したことによって根本的な治療ができるようになってきました。ここでは変形性膝関節症についてと、その治療方法を解説します。
◆目次
1.変形性腰椎症とは
2.変形性腰椎症の原因って何?
3.変形性腰椎症の診断方法
4.変形性腰椎症の一般的な治療法
5.再生医療「幹細胞治療」を使った変形性腰椎症の治療
6.当院の幹細胞治療の流れ
7.費用について
8.幹細胞治療のメリットとデメリット
9.まとめ
┃1.変形性腰椎症とは
「変形性腰椎症」とは、加齢や腰に負荷のかかる重労働、激しいスポーツなどの影響で腰を支える「腰椎」が変形してしまい腰痛を引き起こす病気です。姿勢の悪さなど日常生活が原因で変形してしまうこともあり、誰でも可能性のある症状でもあります。変形が進行すると、腰部脊柱管狭窄症、すべり症などに移行します。
<症状からセルフチェックしてみよう>
- 腰が慢性的に怠い
- 慢性的な腰痛に悩んでいる
- 腰からお尻にかけて痛む
- お尻や足に冷えやしびれがある
- 長く歩くと足が痛くなってしまうが、少し休憩すると元に戻る
┃2.変形性腰椎症の原因って何?
変形性腰椎症は腰椎を連結させている「椎間板」に亀裂が入ったり、変形してしまったりして起こる病気です。変形の主な原因は「加齢」「激しい運動」「労働環境」の3つ。椎間板は修復ができない消耗品なので、腰に負担のかかる運動や仕事などは、消耗を促進し、劣化を早めてしまいます。
3つの原因の中でも一番影響が大きいのが加齢です。人間は加齢とともに体内の水分量が減少していきます。これに比例して椎間板内の水分量も減少します。水分量が少なくなると、椎間板の弾力性が低くなり、ちょっとした刺激が原因で椎間板に亀裂が入る可能性が高まってしまいます。こういった要因が重なって、変形性腰椎症につながってしまうのです。
また、椎間板の劣化で背骨が不安定になると、その背骨を支えるために背骨を構成する骨「椎骨」がトゲのような形をした骨「骨棘(こっきょく)」を作り出します。これが神経を刺激してしまい、痛みを引き起こしている場合もあります。
┃3.変形性腰椎症の診断方法
腰痛やお尻、下肢のしびれがある場合、まずはレントゲン写真で検査を行います。そこで骨棘が確認されると変形性腰椎症と診断されます。さらに神経の圧迫などを確認するためにMRIやCTなどでも画像検査を行うこともあります。
┃4.変形性腰椎症の一般的な治療法
変形性腰椎症と診断されても、痛みやしびれなどの症状がない人もいます。理由としては、そもそも変形性腰椎症が、加齢による自然現象で起きていることがほとんどなので、何か検査をしたときに骨棘が見つかる人も多くいます。
その場合、保存療法で症状を和らげたり、痛みが出ないように予防したりして対応します。ただし、日常生活に支障が出ている場合は骨棘を除去したり、神経圧迫を起こしている根本原因を取り除いたりする手術を実施します。ここでは一般的な治療法についてご紹介します。
治療法 | 詳細 |
---|---|
運動療法 | 腰を支える筋力を強化し、老化予防や、肥満解消に繋げます。 |
温熱療法 | 血行をよくすることで筋肉がほぐれ、痛みが和らぎます。 |
薬物療法 | 鎮痛剤や、筋肉を柔らかくする薬などを使って痛みを緩和します。特に痛みが強い場合は、神経に直接注射をする「神経ブロック注射」などもあります。 |
牽引療法 | 腰を上下に引っ張ることで、関節の隙間を広げて、神経の圧迫を和らげます。 |
装具療法 | コルセットや、腰用サポーターなどを使って動きの安定や負担軽減を図ります。また腰の保護や姿勢の矯正にも効果的です。 |
┃5.再生医療「幹細胞治療」を使った変形性腰椎症の治療
変形性腰椎症が原因で痛みが出るのは、主に骨棘が生み出されたことで脊髄神経を圧迫してしまうことが原因でした。もしも骨棘を改善したとしても、一度傷ついた神経は自然に修復することができません。しかし近年、再生医療の研究が進展し、神経細胞も再生できる可能性が高まってきています。神経細胞の再生には「幹細胞」を使います。
<幹細胞治療とは>
幹細胞は身体の修復や再生が必要なときに自ら細胞分裂を行い、傷ついたり不足した細胞の代わりとなる細胞です。体の修復能力を持つので、これまで難しかったとされる症状も治すことができると注目を集めています。
幹細胞は分裂して同じ細胞を作る能力を持った「組織幹細胞」と「多能性幹細胞」の2種類に分けられます。組織幹細胞の中でも間葉系幹細胞は骨髄や脂肪、歯髄、へその緒、胎盤などの組織に存在する体性幹細胞の一種で、さまざまな細胞へ分化することができます。
変形性腰椎症の治療では、患者自身の体から採取した脂肪細胞をもとに幹細胞を培養。それを静脈投与、脊髄腔内投与で患部に注入し、神経細胞の修復を試みます。
┃6.当院の幹細胞治療の流れ
当院で行っている幹細胞治療の流れを紹介します。幹細胞治療を行う際には、主に下記のような流れで治療を進めていきます。
<①カウンセリング>
事前に服薬情報やMRI画像などをご用意していただいた上で、医師がカウンセリングを行います。体調や既往歴、服薬中の薬、リハビリ状況などを伺います。
<②検査>
感染症の有無を調べるための血液検査や、胸部のレントゲン検査、心電図検査などを行います。
<③脂肪採取>
腹部からごく少量の脂肪を採取します。入院などは不要な場合がほとんどです
<④幹細胞の培養>
脂肪細胞から幹細胞を分離、培養します。培養には約3週間を要します。
<⑤幹細胞の静脈内投与、局所投与>
培養した幹細胞を点滴、局所に投与します。
<⑥経過観察>
その後の効果について定期的に経過観察を行います。
┃7.費用について
当院の治療メニューと料金をご紹介します。
項目 | 価格 |
---|---|
医師による診察・カウンセリング | 11,000円 |
感染症検査(採血) | 11,000円 |
幹細胞点滴(1億個) | 1,650,000円 |
┃8.再生医療のメリットとデメリット
再生医療はさまざまなメリットがある一方、新しい治療であるためリスクも存在します。
<メリット>
- 患者自身の細胞を使っているので安全性が高く、副作用が少ないです
- 今までは対応が難しかった症例も根本的に治療ができる可能性があります
- 入院の必要がなく、外来で治療をすることができます
<デメリット>
- 自由診療のため保険が適応されません
- 新しい治療法のため、長期での体への影響が確認されていません
- 患者自身の再生力を利用した治療法なので、効果が現れるまでに個人差があります
┃9.まとめ
神経細胞のように傷つくと自然に再生しない機能も、再生医療の発展によって回復できるようになってきました。数十年前には「難しい」と断られてしまった症状でも、今では治すことができるかもしれません。FBSSに悩まれている方は、当院にお気軽にご相談ください。