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2025.01.25

腰痛の根源「脊椎すべり症」の症状と原因を徹底的解説!セルフチェック項目も

腰痛に悩んでいる人は多くいますが、根本原因について考えたことがあるでしょうか?腰痛の要因は様々ありますが、背骨を指す「脊椎」に何か異常が起きていることがほとんどです。ここでは脊椎に起こる症状の一つでもある「脊椎すべり症」についてと、その原因について解説していきます。

┃1.脊椎すべり症とは

脊椎すべり症とは、脊椎(背骨)を構成する椎骨がずれてしまう症状です。通常、脊椎がずれてしまうことはありません。しかし椎骨を繋ぐ椎間関節や背骨のクッションの役割を持つ椎間板などが変性、変形するとずれが生じてしまい痛みや痺れとなって身体に表れます。特に腰部分を支える腰椎で発症することが多く、その場合は腰痛や下肢の痺れの原因となってしまいます。すべり症には前にずれてしまう「前方すべり症」と、後ろにずれてしまう「後方すべり症」があり、患者の多くは前方すべり症を発症しています。

また脊椎すべり症には「分離すべり症」と「変性すべり症」の2つに大きく分けられます。ここではそれぞれの原因や症状について解説します。セルフチェック項目もあるので、症状に当てはまるものがないか確認してみましょう。

<分離すべり症とは>

分離すべり症とは、腰椎分離症が原因で腰椎がずれてしまう症状です。腰椎分離症とは、腰を後ろに反らしたり、身体をひねるような運動を繰り返し行うことが過剰負荷となって、椎弓狭部という部分が疲労骨折してしまい、それが治らないまま分離した状態になっていることを指します。

分離症の原因となる疲労骨折は、骨が成長している10代に激しい運動をしている子供やスポーツ選手に多く見られます。症状が発生した初期に適切な治療をしなければ折れた部分が結合せず、分離症に移行してしまいます。

分離症が起きた箇所が離れていることで、椎骨にもずれが生じてしまい、腰痛や痺れがより悪化してしまいます。

<分離すべり症の症状>

主な症状は腰痛です。疲労骨折をして分離してしまっている部分に負荷がかかることで痛みが強くなっていきます。また分離している箇所で神経への圧迫が起こると下肢の痛みやしびれが出ることもあります。

<変性すべり症とは>

変性すべり症とは、中高年に多く見られる症状。疲労骨折などがなくても、加齢に伴い、椎間板や関節、靭帯がゆるむなどして変性してしまい、椎骨にずれが生じてしまい腰痛となって身体に表れます。分離すべり症に比べて脊柱管狭窄症を伴うことが多いという特徴もあります。

<変性すべり症の症状>

主な症状には腰痛、下肢の痛み、しびれがあります。脊柱管狭窄症を伴うことが多く、下肢の痛みやしびれ、間欠跛行(かんけつはこう)を起こすことがあります。また重症化すると排尿障害や排泄障害など膀胱直腸障害を起こすこともあります。

<セルフチェックしてみよう>

症状をチェック項目にまとめました。もしも心当たりがある場合は、整形外科などに相談することをおすすめします。

【セルフチェック項目】

  • 10代のころスポーツをしていて、腰痛を起こしていたことがある
  • 腰に痛みがある
  • 足に痺れや痛み、冷感、灼熱感、突っ張り感などがある
  • 歩き始めると痛みやしびれが出てあるけなくなるが、休むと症状が収まり再び歩けるようになる(間欠跛行)
  • 排尿時、すぐに出てこなかったり、漏らしてしまったりする

┃2.脊椎すべり症の診断方法

脊椎すべり症の診断方法にはレントゲン撮影とMRI撮影を行います。レントゲン撮影は前屈、後屈を含む4方向から行い、脊椎の不安定性を評価します。不安定性が認められるものは固定術を行う必要があります。不安定性が認められないものは除圧術を行います。

次に腰椎MRIを撮影し、椎間板の変性や脊柱管狭窄症の併発の有無を評価します。すべり症は不安定性の有無と脊柱管狭窄症の有無で治療や手術の方法が変わるので、正確な診断が必要です。

┃3.脊椎すべり症の治療方法

脊椎すべり症を治すために、まず第一に取られるのは鎮痛剤やコルセット、リハビリなどを行う保存療法です。しかし、すでに症状が重症化していたり、痛みが改善されないという場合は手術を行います。

手術方法は、症状が起きている根本原因によって様々。すべり症により脊椎不安定性が起きており、不安定性がある場合は「脊椎固定術」という手術を行います。一方、不安定性がなく神経の圧迫が原因である場合は圧迫を取り除く手術(除圧術)を行います。除圧術には一般的な椎弓切除や内視鏡手術(PEL)などがあります。

また椎間板の変性によりすべり症が悪化している場合は椎間板を修復する治療である椎間板再生治療(PDR)などがあります。ここでは当院が提供している日帰り手術をご紹介します。

<PDR>

PDRは経皮的椎間板再生治療ともいい、損傷した椎間板を再生する治療方法です。PLDDと併用することも可能で、日帰りで手術を受けることができます。

>>PDRの詳細はこちら

<PEL>

PELは全ての手術操作を内視鏡下に行う手法であり、体を大きく傷つけずに脊椎内部の奥深いところを観察し、より安全に手術操作が可能となるのが大きな特徴です。

>>PELの詳細はこちら

┃4.まとめ

痛みが起きたとき「放っとけばそのうち治るか」と思っていると、痛みが慢性化してしまったり、場合によっては重症化して歩けなくなったり、排泄障害、排尿障害を引き起こすこともあります。もしも何か違和感を感じたら、かかりつけ医や専門医に相談することをおすすめします。

脊椎すべり症

┃YouTubeでも医療知識を紹介しています

今回の内容はYouTubeでも田中院長がお話ししています。そのほかにも様々ありますので、ぜひご覧ください。

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