2025.01.10
【坐骨神経痛の症状を知る】原因と日常生活で気を付けるポイントも
「坐骨神経痛」とは、太ももから足先にかけてや、お尻など下半身に現れる痛みや痺れが続く状態を指します。原因は人によって様々で、運動などで酷使したことが痛みのきっかけになっている人もいれば、逆に運動不足が原因で症状が現れることも。ここでは坐骨神経痛の主な症状を紹介するとともに、原因や日常生活で気を付けるポイントも合わせて解説していきます。
坐骨神経痛は、坐骨神経が原因で現れた痛みやしびれの総称です。症状はお尻から下肢にかけて現れ、どの部位の神経が傷ついているかによって程度や具体的な症状は異なります。
坐骨神経が傷ついてしまう主な原因は腰の疾患。その中でも特に多いのが「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」「梨状筋症候群」の3つ。このほかにもアルコールなどの中毒性疾患や糖尿病、骨盤内・脊柱・脊髄がんなども座骨神経痛を引き起こす病気として知られています。
>>坐骨神経痛の原因と予防方法を徹底解説!セルフチェック項目も
【主な症状と原因一覧】
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症状 |
原因 |
部位 |
お尻/太もも/ふくらはぎ/足にかけて |
腰椎椎間板ヘルニア/腰部脊柱管狭窄症/梨状筋症候群/骨棘 仙腸関節障害/がん/アルコールなどの中毒性疾患/糖尿病 など |
痛み |
鋭い痛みや痺れ/麻痺/強く張る 冷感や灼熱感/締め付け感 など |
坐骨神経への圧迫や刺激 |
重症化 |
排尿障害/排便障害/運動障害 など |
日常生活での腰への負荷/症状を放置する など |
ここでは坐骨神経痛の根本原因として特に多い「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」「梨状筋症候群」の3つの症状について解説していきます。
<腰部脊柱管狭窄症について>
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨を指す「脊柱」の中にある脊髄神経の通り道「脊柱管」が何かしらの要因で狭まってしまう症状です。脊柱管が狭まると、その中を通る神経が圧迫されてしまい、痛みや運動障害などを引き起こします。
また狭くなった神経周囲の血管が収縮し、血流量が低下。結果的に腰回りの筋肉が硬直して痛みになることもあります。
【主な症状】
- 腰痛
- 腰から下の痛みや痺れ
- 歩くと足やお尻に痛みやしびれを感じ、休むと楽になる。しかし再び歩くとまた同じ症状が出る(間欠跛行/かんけつはこう)
- 排尿障害・排便障害
>>腰部脊柱管狭窄症について知る
<腰椎椎間板ヘルニアについて>
腰部分の背骨「腰椎」を連結させている「椎間板」の髄核が飛び出してしまい、脊柱管の神経を圧迫してしまう病気です。姿勢の悪さから腰に負荷を慢性的に加えてしまってしまっている場合のほか、重い荷物を持ち上げたとき、くしゃみをしたときに発生します。
【主な症状】
>>腰椎椎間板ヘルニアについて知る
<梨状筋症候群>
梨状筋とは、お尻を構成する筋肉の一つ。骨盤の出口付近にある筋肉で仙骨から足の付け根まで伸びており、股関節の動きに深く関与しています。また梨状筋は周りを大殿筋におおわれています。梨状筋症候群とは、スポーツ外傷や交通事故などの怪我が原因で神経が圧迫され、痛みが出てしまう症状です。
【主な症状】
>>スポーツ外傷について知る
坐骨神経痛は、人によって程度は様々です。多くの場合、日常生活のちょっとしたことを気を付けるだけでも改善するかもしれません。もしも痛みが出始めて数か月治らない場合や、すでに日常生活に支障をきたすぐらい痛いという場合は、すぐに病院で診てもらうことをおすすめします。
<気を付けること>
- 長時間、同じ姿勢にならないようにする
- 体重が均等にかかるように座ったり立ったりする
- 中腰を長時間続けない
- 背筋を伸ばして姿勢を保つ
- 重いものをできるだけ持たないようにする
- 背筋と腹筋のトレーニングをバランスよく行う
- 肥満にならないようにする
- 軽い運動習慣やストレッチ習慣を身につける
もしも坐骨神経痛が重症化してしまった場合は、手術を受ける必要があるかもしれません。腰痛改善の手術にはいくつか方法があり、坐骨神経痛を引き起こしている根本原因に応じて適切な処置を施します。
<PLDD>
PLDDはレーザーを椎間板内の髄核に照射することで、椎間板を縮小し、神経の圧迫を軽減することで痛みを改善する治療です。施術に要する時間は一箇所あたり15~30分程度で、院内の滞在時間も数時間程度で済むため、日帰りでの手術が可能です。
>>PLDDの詳細はこちら
<PDR>
PDRは経皮的椎間板再生治療ともいい、損傷した椎間板を再生する治療方法です。PLDDと併用することも可能で、日帰りで手術を受けることができます。
>>PDRの詳細はこちら
<PED>
PEDは、経皮的内視鏡下椎間板摘出術とも呼ばれる手術。細い内視鏡を使って行う手術で低侵襲なのが特徴です。手術は日帰りで受けることができるほか、術後の生活への影響も少ないとされています。
>>PEDの詳細はこちら
<SAST>
SASTとは「spine adipose-derived stem cell transplant」の略称で、「脊椎幹細胞移植術」とも言われます。椎間板や頸椎、腰椎に対して脂肪由来幹細胞を移植することで、損傷した組織の再生、修復を促して腰痛の改善を図ります。自己脂肪由来幹細胞が免疫抑制因子や抗炎症因子を分泌する機能を持つことを利用し、損傷した椎間板や脊椎の再生や修復を促し腰痛の改善を図る治療法です。治療に使う脂肪由来幹細胞は患者自身から摂取した脂肪を元に培養します。そのため体に戻したときにも副作用のリスクが低いのも特徴です。
>>SASTの詳細はこちら
坐骨神経痛は初期の症状であれば、日常生活を見直すことで回復することもあります。しかし、放置することは絶対にだめ。神経が圧迫され続けると根本原因を取り除いたとしても、後遺症として慢性的な痛みやしびれが残ることがあります。もしも違和感があったら、まずは近くのクリニックや病院などにご相談ください。
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椎間板ヘルニア