院長ブログ

2025.01.08

椎間板ヘルニアは再発する!? 治療後も気をつけたいポイントと再発前兆の症状

過去に椎間板ヘルニアに悩まされていた人で、治療したにも関わらず「椎間板ヘルニアの手術をしたけど、痛みが続いている」「術後は痛みが改善したけど数年したらまた痛くなってきた」という人はいませんか? もしかしたら再発の前兆かもしれません。ここでは、再発のメカニズムと治療方法についてご紹介します。

┃1.椎間板ヘルニアになってしまう原因

椎間板ヘルニアは、腰骨(腰椎)を連結させている「椎間板」の髄核が飛び出して、脊柱管の神経が圧迫されている状態を指します。そうすると足やお尻に痛みやしびれが起きてしまいます。

症状が軽い場合は安静にしているとヘルニア自体が小さくなっていくので、それに比例して痛みやしびれも軽くなっていきます。しかし、症状が軽いからといって安静にせず、継続的に負荷をかけていると進行してしまい、神経の圧迫がひどくなってしまうので慢性的な痛みに変化していきます。

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┃2.なぜ椎間板ヘルニアは再発するの?

椎間板ヘルニアを治療したにも関わらず再発する理由には、椎間板から飛び出した髄核が漏れ続けて、炎症を起こし続けていることが考えられます。対して髄核の漏れが無い場合のヘルニアは、約3か月ほどで身体の機能に吸収されると言われており、再発することがないヘルニアです。

ただし椎間板に傷があると、常に髄核が漏れるリスクは高い状態です。何か負荷がかかることがあると、髄核は飛び出て炎症を引き起こし、症状が出る。そして身体にヘルニアが吸収される。ただし、椎間板の傷自体は治っていないので、また何かのタイミングで髄核が漏れてしまう……という循環に陥ってしまうのです。

椎間板ヘルニアの手術直後は痛みが消えていたのに、しばらく経って痛みが継続していたり、新しく症状が発現した場合は再発が疑われます。放置せず、すぐに医師に診てもらうようにしましょう。

<セルフチェック>

  • 術後は痛みが消えていたが、しばらくして特定の姿勢や動きに違和感を感じるようになった
  • 術後も足やお尻の痛みや痺れが続いている
  • 術後、一部の痛みはなくなったが、一部は違和感が残っている

┃3.椎間板ヘルニアの再発を防ぐために

椎間板ヘルニアを繰り返してしまうのは、椎間板に傷があり髄核が飛び出やすい状態になっているからです。椎間板は自己修復に非常に時間のかかる箇所なので、一度傷つくと何度も損傷を繰り返しやすい場所でもあります。

また歩く、座る、前屈状態になるなどの日常生活の動作だけでも椎間板は負荷のかかりやすい部位でもあります。外傷や加齢の影響を受けやすく、損傷しやすい部位なのです。

椎間板の損傷が軽い場合は自然治癒して、傷口が塞がった後は椎間板内部の髄核が水分で満たされて元の機能を果たすのですが、傷口が深い場合は自然治癒が難しいとされています。

椎間板ヘルニアが再発しないようにするためには、椎間板ヘルニアを治すだけでなく、傷ついた椎間板そのものを治すことが大切です。そこで注目を集めているのが再生医療を使った治療方法です。今回はいくつかの治療方法を紹介します。

<PDR>

PDRは経皮的椎間板再生治療ともいい、患者自身の血液を採取した後、そこから濃縮血小板由来の成長因子を抽出。濃縮血小板由来の成長因子(PRP)と幹細胞上清液を患部の椎間板に注入し、透視装置を使って損傷した椎間板に成長因子と幹細胞上清液を投与します。PLDDと併用することも可能で、日帰りで手術を受けることができます。

>>PDRの詳細はこちら

<SAST>

SASTとは「spine adipose-derived stem cell transplant」の略称で、「脊椎幹細胞移植術」とも言われます。椎間板や頸椎、腰椎に対して脂肪由来幹細胞を移植することで、損傷した組織の再生、修復を促して腰痛の改善を図ります。自己脂肪由来幹細胞が免疫抑制因子や抗炎症因子を分泌する機能を持つことを利用し、損傷した椎間板や脊椎の再生や修復を促し腰痛の改善を図る治療法です。治療に使う脂肪由来幹細胞は患者自身から摂取した脂肪を元に培養します。そのため体に戻したときにも副作用のリスクが低いのも特徴です。

>>SASTの詳細はこちら

┃4.再生医療のメリットとデメリット

再生医療には様々なメリットがある一方、新しい治療なのでリスクも存在します

<メリット>

  • これまでできなかった根本治療が期待できます
  • 痛みが軽減する可能性が高いです
  • 固定術を回避できる可能性があります
  • 自分自身の細胞を使う場合が多いので、安全性が高く、副作用が少ないです
  • 入院の必要がなく、外来で治療できることがほとんどです
  • 傷が少なく低侵襲です

<デメリット>

  • 自由診療のため保険が適応されません
  • 新しい治療法のため、長期での体への影響が確認されていません
  • 患者自身の再生力を利用した治療法なので、効果が現れるまでに個人差があります

┃5.まとめ

椎間板の傷を根本的に治療しない限り、椎間板ヘルニアは再発し続ける可能性があります。何度も治療をしている人は再生医療についても相談してみるのもいいかもしれません。

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