腰の痛みや、それに伴う足のしびれなどに悩まされていませんか? 人間の体は加齢とともに骨量や筋肉量が減ってきて、それが要因となって様々な症状が発生することがあります。腰痛の原因として多いことでも知られる「腰部脊柱管狭窄症」もその一つ。誰でも症状が出る可能性があるとともに、慢性的な痛みを伴うことも少なくありません。原因は神経の損傷なのですが、神経は自然に回復しないため、この痛みを長年付き合わなければなりませんでした。しかし再生医療の発展によって、根本的な治療ができる可能性が高まってきています。ここでは再生医療を使った最新の治療方法をご紹介します。
◆目次
1.脊柱管狭窄症の再生医療について
1-1.幹細胞治療とは
1-2.腰痛や足のしびれを軽減する再生医療
1-3.これまでの治療方法との比較
1-4.再生医療「SAST」と腰痛日帰り手術の組み合わせ
2.当院の幹細胞治療の流れ
3.まとめ
┃1.脊柱管狭窄症の再生医療について
脊柱管狭窄症の痛みは脊髄神経が圧迫され、神経が傷つくことで痛みやしびれとなって出現します。神経はこれまでの治療技術では修復が難しいとされていたので、根本原因を取り除くために手術をしたとしても、慢性的な痛みが残ってしまうケースも少なくありませんでした。
しかし近年、再生医療の研究が進んだことによって修復不可能とされていた神経の回復・修復に効果のある治療方法が開発されました。それが「幹細胞治療」です。
幹細胞は身体の修復や再生が必要なときに自ら細胞分裂を行い、傷ついたり不足した細胞の代わりとなる細胞です。体の修復能力を持つので、これまで難しかったとされる症状も治すことができると注目を集めています。
幹細胞は分裂して同じ細胞を作る能力を持った「組織幹細胞」と「多能性幹細胞」の2種類に分けられます。組織幹細胞の中でも間葉系幹細胞は骨髄や脂肪、歯髄、へその緒、胎盤などの組織に存在する体性幹細胞の一種で、さまざまな細胞へ分化することができます。
幹細胞治療の中でも、代表的なのが「自己脂肪由来幹細胞治療(ASC治療)」。幹細胞が多く含まれる腹部の脂肪を患者自身から採取し、培養したものを使うのでアレルギー反応などの副作用が少なく、体への負担も比較的軽いのが特徴です。また採取する際も少しの切開で大丈夫なので、傷跡も残りにくいです。
脊柱管狭窄症の症状でもある腰痛や手足のしびれは、脊柱管が狭まったことで神経が圧迫されて起こります。長期間そのままの状態にしておくと神経そのものが損傷してしまい、慢性的な痛み(慢性疼痛)の原因にも。脊柱管を狭めている原因を手術などで取り除いたとしても、神経は元通りにならないので、そのまま痛みやしびれは残ってしまいます。
そこで幹細胞治療を行うことで神経自体の修復を促し、症状の改善を目指します。また幹細胞は炎症が起きた場所で痛みが起こる原因の物質「炎症性サイトカイン」の分泌を抑える性質があるので、痛みそのものも和らげる効果があります。
また神経そのものにアプローチするので、手術でも効果が得られなかったという人にも新しい選択肢となる可能性を秘めています。
【期待できる効果】
- 痛みやしびれの軽減
- 神経の再生促進
脊柱管狭窄症における従来の治療方法と再生医療を使った治療方法について、メリットとデメリットを並べて比較しました。
治療 | メリット | デメリット |
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薬物療法 |
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手術 |
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再生医療 |
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当院では国内で唯一、腰痛の日帰り手術と幹細胞を使った再生医療「SAST」を組み合わせた治療を行っております。幹細胞には幹細胞自身が持つ栄養作用によって組織を再生することができるので、患部を効率よく再生、修復を行うことが期待できます。
┃2.当院の幹細胞治療の流れ
幹細胞治療を行う際には、主に下記のような流れで治療を進めていきます。
①カウンセリング
事前に服薬情報やMRI画像などをご用意していただいた上で、医師がカウンセリングを行います。体調や既往歴、服薬中の薬、リハビリ状況などを伺います。
②検査
感染症の有無を調べるための血液検査や、胸部のレントゲン検査、心電図検査などを行います。
③脂肪採取
腹部からごく少量の脂肪を採取します。入院などは不要な場合がほとんどです。
④幹細胞の培養
脂肪細胞から幹細胞を分離、培養します。培養には約6週間を要します。
⑤幹細胞の静脈内投与、局所投与
培養した幹細胞を点滴、局所に投与します。
⑥経過観察
その後の効果について定期的に経過観察を行います。
<当院の治療メニューと料金>
医師による診察・カウンセリング:11,000円
感染症検査(採血):11,000円
幹細胞点滴(1億個):1,650,000円
幹細胞局所(1億個):1,980,000円
┃3.まとめ
神経のように傷つくと自然に再生しない機能も、再生医療の発展によって回復できるようになってきました。そのため脊柱管狭窄症の治療で、数十年前には「難しい」と断られてしまった症状でも、今では治すことができるかもしれません。もしも気になった方や、長年悩まれている方は当院にお気軽にご相談ください。