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2024.12.17

激痛で歩けない!「椎間板ヘルニア」の解説と応急処置をご紹介

脊髄疾患の中でも最も多いことでも知られる「椎間板ヘルニア」。日常の中で、くしゃみをしたり、少し重い荷物を持つなどで症状が現れることがあります。さらに痛みが強く出るのは、急性期といって椎間板ヘルニアを発症した直後。場合によっては激痛で歩けなくなることもあります。ここでは椎間板ヘルニアについて解説するとともに、セルフチェック項目や、痛みの軽減方法などをご紹介します。

┃1.椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアは、背骨の骨を連結させている「椎間板」の髄核が飛び出して、脊柱管の神経を圧迫してしまうことで起こる病気。椎間板は「髄核」という柔らかい組織と、それを覆う線維輪と呼ばれる硬い組織で構成されています。重い荷物を持つなどして、ここに大きな負担がかかると線維輪が壊れてしまい、そこから柔らかい髄核が突出。それが神経に当たることで症状が現れます。

主に腰椎で発生し、その場合は腰痛や足やお尻のしびれ、麻痺などの症状が発生しますが、重症化すると排尿障害や排便障害に陥ってしまうこともあります。またまれに頸椎にも症状が現れることもあります。

<椎間板ヘルニアの急性型と慢性型について>

急性型は重い荷物を急に持ち上げたときや、くしゃみをしたときなどに発生します。痛みが強く出てしまい、歩けなくなるときもありますが、安静にしていると徐々に痛みは軽くなっていきます。

ただし、これをそのまま放っておくと症状が進行。それに伴い神経の圧迫がひどくなることで、慢性的な痛みに変化していきます。

<ヘルニアの部位によって痛みの出る箇所が違う>

腰を支える背骨「腰椎」は5つの椎骨から成り立っています。上から順に第一腰椎、第二腰椎……と呼ばれ、一番下の腰椎は第五腰椎となります。また第五腰椎の下には仙骨という骨があり、仙椎があります。椎骨の間にある椎間板の英語表記「LUMBER」の頭文字を取って、第一腰椎と第二腰椎の間の椎間板であれば「L1/2」、第四腰椎と第五腰椎の間にある椎間板であれば「L4/5」と表記します。また第五頸椎と仙椎の椎間板は仙椎の英語表記「SALCUS」の頭文字を取って「L5/S」と書き表します。

ヘルニアができているのかによって、症状が出る部位や位置も違います。腰椎椎間板ヘルニアは、一番下にあって負荷のかかりやすいL4/5に症状が出ることが多いです。

ヘルニアの位置 症状の出現部位と状態
L1/2 腰の上あたりに痛み
L2/3 足の付け根や鼠径部に痛み、だるさ、痺れ
L3/4 太ももの前部分に痛み、だるさ、痺れ
L4/5 お尻から太ももの横、ひざ下、外側の脛に痛み、痺れ
L5/S お尻の真ん中、太ももの裏、ふくらはぎ、かかとから足の裏、足の小指に痛み、痺れ/アキレス腱の反射が弱まり、つま先歩きができなくなる

┃2.椎間板ヘルニアかセルフチェックしてみよう

腰や手足などに痛みや痺れがあるという場合、まずはセルフチェックをしましょう。一つでも当てはまる項目があった場合、整形外科などクリニックに行ってみることをお勧めします。また、すでに機能障害が起きている場合は重症化している可能性が高いです。すぐに受診しましょう。

<セルフチェック項目>

  • 急に腰や足に痛みが走った
  • 痛みや痺れがある腰や足に負荷をかけると症状がひどくなる
  • 階段を昇るとき、足が持ち上がりにくい
  • 座っていたり、寝ているときでも痛みやしびれが治らない
  • かかと歩きやつま先歩きができない
  • 座った姿勢で足の親指を上げられない
  • 肛門周辺が痺れて感覚がない
  • 尿が出にくかったり、尿意に自覚できない

┃3.痛みやしびれが起きたときの応急処置

痛みや痺れについては下記の対処方法があります。

<安静にする>

痛みが出ている場合は安静にしましょう。またサポーターやコルセットで腰を固定することでヘルニアによる神経圧迫を和らげ、痛みを緩和することができます。

<患部を冷やす>

痛みのある箇所に熱を感じている場合は炎症を起こしている可能性があります。その場合は冷やすのが効果的です。逆に温めると炎症が悪化して痛みが強まることも。症状が出てから3日間は入浴などは避けて、シャワーだけにするなどの対応をしましょう。

<痛み止めを使う>

痛み止めを飲むことでも、痛みやしびれを軽減できます。持病がある場合は、飲んでいる薬と飲み合わせが悪いこともあるので、必ず主治医と相談するようにしましょう。

<ストレッチ>

痛みを和らげるのに、ストレッチも効果的です。ストレッチを行う際は痛みの出ない範囲で無理せず行いましょう。もしも症状が強くなってしまった場合は、主治医と相談してください。

>>椎間板ヘルニアの痛み改善ストレッチはこちらからチェック

┃4.椎間板ヘルニアの治療方法

ヘルニアの進行具合によって、治療方法を選択します。まずは保存療法から始めて、2~3か月経ってもよくならない場合や、歩行障害、排尿障害、排泄障害が出てきたら手術を検討します。

<安静にする>

痛みを軽減するためには、安静にするのが一番です。寝るときにより負担がかからないよう、膝と股関節を少し曲げた姿勢を取ったり、布団などを丸めて上半身を少し高めに持ち上げたり、膝下にクッションなどを入れて膝を曲げる状態にしたりするといいです。

<装具療法>

痛みが強い急性期に行う治療法で、コルセットなどで腰を固定。安定させることで神経圧迫を防ぎ、痛みを和らげます。しかし、長く使い続けると筋力低下やヘルニア再発の可能性を高めてしまうので注意が必要です。

<薬物療法>

痛みや炎症を緩和させるため、薬を使った治療を行います。痛みを止める鎮痛剤や、患部の炎症を抑える湿布のほか、筋肉の緊張をほぐす筋弛緩薬、痛む箇所の神経付近に麻酔を打つブロック注射などがあります。

<物理療法>

血行や筋肉、関節の動きをよくするために温熱療法や電気刺激療法などを行います。血流が停滞することで痛みが出ている場合に効果的です。

<運動療法>

痛みが軽くなってから取り組みます。腰周りの筋肉を付けることで、負担軽減と症状の悪化、再発を防止します。

<手術:PLDD>

pldd

PLDDはレーザーを椎間板内の髄核に照射することで、椎間板を縮小し、神経の圧迫を軽減することで痛みを改善する治療です。施術に要する時間は一箇所あたり15~30分程度で、院内の滞在時間も数時間程度で済むため、日帰りでの手術が可能です。

>>PLDDの詳細はこちら

<手術:PDR>

PDR

PDRは経皮的椎間板再生治療ともいい、損傷した椎間板を再生する治療方法です。PLDDと併用することも可能で、日帰りで手術を受けることができます。

>>PDRの詳細はこちら

<手術:PED>

PED

PEDは、経皮的内視鏡下椎間板摘出術とも呼ばれる手術。細い内視鏡を使って行う手術で低侵襲なのが特徴です。手術は日帰りで受けることができるほか、術後の生活への影響も少ないとされています。

>>PEDの詳細はこちら

┃5.まとめ

椎間板ヘルニアは日常生活の中で、いつなってもおかしくない病気です。急性期を過ぎ、痛みが軽くなったからと放っておくと、慢性的な状態が続き、いつの間にか悪化しているということも少なくありません。もしも何か痛みや痺れなど異常を感じた人は、すぐにクリニックを受診することをおすすめします。

椎間板ヘルニアの詳細はこちら

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