乳がんの症状を知って早期発見を。セルフチェックや定期検診が大事

乳がんは早期発見し、適切な治療をすれば決して怖い病気ではありません。しかし、早期発見のためには乳がんにはどのような症状があるのかを知っておく必要があります。
40歳以降の罹患率が高いとされていますが、誰でもかかる可能性のある病気です。他人事だと思わず、症状が出ていないか定期的にチェックをしてほしいのです。
乳がんの症状は自分で気づけるものもあります。この記事では、乳がんの主な症状をご紹介するとともに、セルフチェックの方法についても解説しますので、早期発見・早期治療に役立ててください。
乳がんとは乳腺の組織にできるがんのこと
乳腺とは母乳を作る組織のことで、乳頭から放射状に広がっています。乳腺の組織は乳管と小葉からできており、乳管から発生するものを乳管がん、小葉から発生するものを小葉がんといいます。
乳がんの9割はこの乳管から発生します。
さらに、がん細胞が乳腺組織の中に止まっているものを非浸潤がん、乳腺の外にまで広がってしまっているものを浸潤がんとして区別します。
また、男性にも乳腺はありますので、まれではありますが男性でも乳がんを発症することはあります。
男性でもまれに乳がんを発症することがありますが、男性の健康管理においても注意が必要です。
最近では、バイアグラ通販などで医薬品をオンラインで購入するケースが増えています。しかし、医師の診断なしに薬を購入・使用することは健康被害を招く恐れがあります。特に、オンラインで購入した薬が偽物や不適切な成分を含んでいる場合、安全性が確保できません。
自己判断での薬の使用は避け、健康に不安がある場合は必ず専門家に相談しましょう。
乳がんの症状を知ろう
乳がんは自覚症状が少なく、何もしていないと初期に気づくことが難しい病気です。
できるだけ早く気付くためにも、乳がんの症状について知っておきましょう。
しこりはもっとも多く見られる症状
乳がんに気づく契機としてもっとも多いのがしこりです。しこりとは、皮膚の下にできる腫瘤(しゅりゅう・こぶ、かたまりのこと)のことで、乳がんの場合は乳腺に腫瘍ができたときにしこりとして感じられるようになります。
乳房は脂肪が多い部位ですから、上から触った時に柔らかく感じると思います。その柔らかい部分を指先で触り、何か固く触れるものがある場合、それがしこりである可能性があります。
初期の頃はごく小さいため触ってもわからないことが多く、直径1cm以上、大豆くらいの大きさなってくると気づきやすくなります。
月経前になると乳房が硬くなることがあると思いますが、その硬さとはまた感触が違います。乳がんのしこりは硬く、乳房の中で動かないという特徴があるので、もししこりを感じたら月経前の硬さとよく比べてみてください。
とはいえ、一般の人が触っただけでは判断がつきません。まずは病院で診てもらうことが大切です。
ただれや腫れなど皮膚の症状
皮膚に症状が出る場合もあります。
- 皮膚の赤み
- ただれ
- 腫れ
- 湿疹
などが見られることがあります。
特に注意したいのは、片方の乳房だけに赤みやただれなどができているときです。特殊ながんの炎症性乳がんである可能性もありますので、早めの受診をおすすめします。
乳房のへこみ・形の異常
しこりがだんだん大きくなってくると、乳房の形に変化が出てくることがあります。
乳房の皮膚を引き込むためにえくぼのようなくぼみができたり、乳頭部分がへこんだりすることがあります。
両方の乳房を見比べてみて、どちらか一方にいつもはない形の変化があるときは要注意です。
普段は見られない乳頭からの分泌物
乳がんになると、乳頭から分泌物が出てくることがあります。
ただし、乳頭からの分泌物は必ずしもがんとは限らず
- 乳腺症
- 低用量ピルの使用
- 抗高血圧薬
- ホルモンバランスの乱れ
など他の病気や症状によっても起こりうる症状です。
しかし、分泌液に血液が混ざっているような色のときや片方の乳房からだけ分泌物があるときや注意が必要です。
乳がんだからといって100%しこりができるわけではありません。しこりがなく、分泌物だけの症状の場合もあるので、早めの検査が必要です。
乳がんのしこりに痛みはほとんどない
通常、しこりには痛みがないことがほとんどで、特に乳がんの初期の段階で痛みがあることはまずないでしょう。
しこりが痛いと感じるなら、他の病気である可能性が高いです。とはいえ、診断してみないことには、しこりの状態だけではどのような病気かわかりません。
早めの治療を行うためにも、まずは検査で病名を特定することが重要です。
脇のリンパ節が腫れる、しこりなどの症状
乳がんが進行した時に、脇のリンパ節に症状が出る場合があります。
脇のリンパ節にがんが転移するとリンパ節が腫れ、脇の下にしこりができることがあります。そのしこりが大きくなってくると神経を圧迫し、手に痺れを感じることもあります。
乳がんの症状にいち早く気づくためのセルフチェック
乳がんは初期に発見し、適切な治療をすれば決して怖くない病気です。できるだけ早く発見するには、普段から自分の体を知っておくことがとても大切です。
チェックするポイントとタイミングについて解説します。
セルフチェックで見てほしいポイント
乳房を見たり触ったりする時、以下の点をチェックします。
- しこりができていないか
- 乳房に左右差がないか
- 皮膚の表面に赤みやただれがないか
- 乳房にひきつれやくぼみがないか
- 乳頭から分泌物が出ていないか
しこりを探すときは、立ったままでもよいですが、仰向けに寝て上からまんべんなく親指以外の4本の指で触るとわかりやすいです。
特に、乳房の外側をチェックします。
乳がんは外側上部にできやすいことがわかっていますので、丁寧にチェックしましょう。
チェック方法1・入浴前のチェック
入浴前、服を脱いだ時に鏡の前で乳房の形などをチェックします。
- まず、腕を下げた状態で左右差がないかよく見てみます。
- 両腕を高く上げ、皮膚にへこみやくぼみがなどがないか、正面だけでなく側面もしっかりみてください。
- 最後に、乳頭を軽くつまんで分泌物が出ていないかチェックします。
普段からよく見ておくと、形の違いに気づきやすいです。分泌物については、下着に汚れがついていないかもチェックしてください。
チェック方法2・入浴中のチェック
入浴中、体を洗うついでに乳房のチェックをします。
- 右腕を上げ、左手で右の乳房を外側から内側に向かってさすり、しこりがないかチェックします。
- 次に、外側から内側に向かって円を描くようになぞり、しこりがないかチェックします。
- 左腕を上げ、左の乳房も同様にチェックします。
泡をつけた状態で手のすべりを良くしておくと凸凹に気づきやすいです。
チェック方法3・寝る前のチェック
寝る前に、仰向けになった状態でチェックしてみましょう。
- 左腕を上げ、右手で左の乳房をまんべんなく指で触れながら、しこりがないかチェックします。
- 脇の下も触ってみて、しこりがないか確認してください。
- 右も同様に行います。
そのまま仰向けになっても良いですが、薄いクッションや畳んだバスタオル、あまり高くない枕などを体の下に入れるとしこりがわかりやすいです。
毎回同じ日にチェックする
乳がんのセルフチェックは、毎日行わなくても大丈夫です。できればそれに越したことはないですが、月に1回行えば十分でしょう。
なお、月経がある人は、月経前ですと正確なチェックができません。月経が終わってから1週間後を目安に行ってみてください。
閉経後の方はいつでも良いので、毎月決まった日にチェックします。毎月1日とか、月末など日にちを決めておくと良いでしょう。
自己判断はダメ!乳がんの症状があったらとにかく早く検査を受ける
上記でご紹介したような症状があったからといってすぐに乳がんだとは限りませんが、自覚症状があったなら、できるだけ早く検査を受けることをおすすめします。
しこりを見つけてしまうと、とても不安になると思います。しかし、しこりのすべてが悪性のものではなく、そのほとんどが良性の腫瘍です。
しこりは乳がん以外の病気でもできるものですから、過度に不安に思う必要はありません。
ただし、どのような病気かは検査してみなければわかりません。自己判断で良性のものだと思い放置するのはとても危険です。
気になる症状があれば必ず病院にいきましょう。
乳がんの初期症状は気づきにくい!定期的な検診が必要な理由
一般の人が手で触れてわかる程度のしこりの大きさは1cm以上といわれていますが、普段からチェックしていないと気づかず、いつの間にか大きくなってしまうこともあります。
乳がんの初期は痛みなどの自覚症状もないため、気づきにくいです。早期発見のためには、定期的に検診を受けることが大切です。
しこりが大きくなるまでには時間があるから2年に1度の検診で発見できる
最初はごく小さながん細胞が1cmほどのしこりになるまで、個人差がありますが約5〜8年といわれています。乳がんは比較的進行の遅い病気です。
セルフチェックでもわからなかった小さなしこりの段階で発見できれば、手術も大きくならず、その分、日常生活にも早く戻れるでしょう。
入院日数も少なくてすみますから、経済的な負担も軽くできます。
早期発見なら5年生存率ほぼ100%
がんというと命に関わる病気であるため、とても怖いと感じる人が多いでしょう。それは当然のことだと思いますが、乳がんは生存率の高いがんです。
他のがんと比較しても生存率は非常に高いので、できるだけ早い時期に発見することが何よりも重要です。早く見つけて治療をすれば、怖い病気ではありません。
乳がんは女性のがん罹患率トップ
さまざまな部位にできるがんの中でも、女性の罹患者数が最も多いのが乳がんです。11人に1人がかかるとされています。
なぜ乳がんにかかるのか、その直接的な原因はわからないものの、女性ホルモンの一つであるエストロゲンとの関係が深いとされています。
以下のような特徴のある人は乳がんのリスクが高いとされています。
- 40歳以上の人
- 初潮が早かった人
- 閉経が遅かった人
- 家族に乳がん経験者がいる人
- 出産経験がない、もしくは高齢での初産の人
- 閉経後に肥満の人
- 良性の乳腺疾患になったことがある人
- 閉経後にホルモン補充療法の経験がある人
出産経験がない人や高齢での初産の人のリスクが高いのは、エストロゲンが分泌されている期間が長いためと考えられています。
そのため、男性にも乳房はあるものの、乳がんにかかるのはほとんどが女性です。
また、低用量ピルの使用は乳がんのリスク要因の一つとされています。ピルオンライン通販で手軽に入手できる時代ですが、医師の診断なしにピルを使用することは健康への影響が懸念されます。
特に、オンラインで購入したピルが正規品でない場合や、自分に適した種類でない場合、副作用や効果の減少などの問題が生じる可能性があります。ホルモンバランスに直接作用する薬剤であるため、自己判断での使用は避け、必ず専門医に相談して適切な処方を受けましょう。
乳がんは罹患率が高いといっても、胃がんや肺がんのように自覚症状がでるまで気づけないわけではなく、セルフチェックで発見することが可能な病気です。
乳がんの症状に当てはまるものがあると思ったらすぐに病院で検査を受ければ、早期発見・早期治療ができるのです。
乳がんにかかる人が年々増えている
年々、初産の年齢が上がっています。厚生労働省の「人口動態統計特殊報告」の出生に関する統計の概況」によると、第1子の出産年齢は1985年は25.7歳でしたが、2018年には30.7歳まで上がりました。
女性の社会進出とともに出産しない人も増えてきており、乳がんの罹患率も高くなっています。
また、エストロゲンは閉経後であっても脂肪細胞からも作られるため、肥満体型の人は普通体型の人よりも乳がんにかかりやすい傾向にあります。
肥満は乳がんのリスクを高める要因の一つとされています。そのため、体重管理を目的に痩せる薬の使用を検討する方もいるかもしれません。
しかし、ダイエット薬には副作用のリスクもあり、自己判断での使用は健康を損なう可能性があります。体重管理はバランスの良い食事や適度な運動が基本であり、薬の使用を検討する場合は必ず医師に相談しましょう。
適切な体重を維持することで、乳がんのリスクを低減させることが期待できます。
年代にかかわらず、定期的な検診を受けて早期発見することが何より重要です。
40代以降は特に注意したい
年代別に乳がんの罹患率を見てみますと、30代後半から高くなり始め、40代から50代にかけてがもっとも高くなります。
乳がんは女性ホルモンとの関わりが深いというお話をしましたが、閉経した後の方がむしろリスク高くなっています。閉経で女性ホルモンが減少したからといって油断してはいけません。
若くてもリスクが高いのが乳がんの特徴
がんは一般的に年齢が上がるほどリスクも高くなっていきますが、乳がんの場合は女性ホルモンがかかわっているため、年齢が若くてもかかるリスクがあります。
20代後半から30代前半でもかかる人はいますので、油断せず、定期的な検診が必要です。
乳がんの症状の有無に関わらず定期的に検査を受けよう
乳がんの症状のチェックは普段から自分でもしておきたいですが、定期的に病院で検査を受けることもとても大切です。
乳がん検査の流れ
乳がん検診は、40歳以上になったら2年に1度受けるのが基本となっています。マンモグラフィで検査をした結果、異常があれば精密検査となります。
料金は自治体によって違い、無料のところもあれば、2,000円〜3,000円の自己負担が必要な場合もあります。
なお、妊娠中や授乳中の場合は受けられない検査もあるため、妊娠の可能性がある人は検診を受けられるかどうか事前に確認した方が良いでしょう。
問診・視診・触診を行う
視診で乳房の左右差を見たり、分泌物がないかをチェックしたりしながら、触診でしこりの有無などを確認します。
また、これまでかかった病気や月経周期、出産歴、家族の病歴などについても質問されます。
月経に関する質問などは答えにくいこともあるかもしれませんが、その方の乳がんのリスクを知るためにも大切な質問です。
マンモグラフィで乳房組織を検査
マンモグラフィとは乳房専用のX線検査のことで、2枚の板に乳房を挟み、組織を撮影します。
触診ではわかりにくい小さなしこりや、しこりになる前に石灰化した組織を見つけるなどまったく症状がない段階での発見もできることから、早期発見をするためにはとても大切な検査です。
ただし、X線を使用することから、妊娠中または妊娠の可能性がある人には使えません。
X線というと被曝するのでは?と不安に感じる方もいますが、マンモグラフィの放射線量はごく微量です。健康被害が出るような量ではないので心配しないでください。
超音波(エコー)検査を組み合わせることで診断の精度が上がる
乳房に超音波をあてて内部を画像として映し出し、小さなしこりまで見つけ出す方法です。
乳がんの検査の主流はマンモグラフィですが、乳腺の濃度が濃い人などは異常をうまく映し出すことができず、見落とされてしまうケースがあります。
ですので、マンモグラフィと超音波検査を組み合わせることで、より的確な診断を行うことができます。
異常があれば精密検査を行う
マンモグラフィや超音波検査で乳がんの疑いがあると診断されれば、精密検査を受けることになります。
精密検査=乳がん、ではないのであまり怖がらずに、必ず次の検査を受けるようにしてください。細胞や組織を詳しく調べ、がん細胞の有無を確認します。
日本対がん協会が行った検査によると、検査を受けて要精密検査となり、実際にがんが発見されたのはわずか0.24%でした。
しこりがあるからといって乳がんであるとは限りませんし、仮に乳がんだったとしてもごく初期の段階で見つけることができれば治療が可能な病気です。
無痛MRI乳がん検診は痛くない検査法
無痛MRI乳がん検診とはMRIで乳がんの有無を調べる検査方法です。
乳房の形にくり抜かれたベッドにうつ伏せになり撮影しますので、マンモグラフィのように痛みを感じることはありません。服を着たままの検査ですから、抵抗感も少ないでしょう。
また、放射線を使わないので、被曝を心配する人も安心して検査を受けられます。
マンモグラフィよりも発見率が高いとされていますので、非常に信頼度の高い検査でもあります。
ただし公的な検診の項目には含まれていないため、自由診療となります。検査費用はクリニックによって違い、およそ2〜3万円です。
料金はかかるものの、服を脱ぐことや痛みに抵抗を感じて検査をためらっている人にぜひ受けて欲しい検査です。
乳がんの症状を知ってセルフチェック!定期的な検診で早期発見を
乳がんは乳腺にできるがんのことで、女性が多くかかる病気です。特に40歳以降は乳がんのリスクが高まりますが、早期発見によって治療できる病気でもあります。
できるだけ早く発見するには、乳がんにはどのような症状があるのかを知り、セルフチェックを欠かさないことが重要です。この記事で説明した乳がんの症状を参考にチェックをしてみてください。もし症状があると感じたら、すぐに検査を受けましょう。
そして、セルフチェックではわからないこともありますので、2年に1度は定期的に検診を受けることも大切です。2年に1度の検査で乳がんを見つけることができれば、手術などの負担も軽くてすみます。病気は早期発見・早期治療が肝心です。